クローン病持ちのデータ分析系サラリーマン・フミコの日常

クローン病をもつ社会人のブログです。健康のこと、仕事のこと、家庭のこと、キャリアのこと、なんでも思ったことを書いてます。

1/20 悲観的なキャリア指針

今日後輩に話したときになるほどそういう考え方があるのかみたいな反応をされたので文章化する。僕は経営学専攻ではないのでプロダクトライフサイクル仮説は概要しか知らないのだが、(だから元ネタにこう書いてあるかは知らないのだが)この概念が示唆するものの1つに「全ての事業は生まれながらに陳腐化を宿命づけられている」というものがあると思う。そして、個人のキャリア戦略についても同様の考え方を当てはめるなら、「労働者のスキルもまた、陳腐化を宿命づけられている」と考えることができる。最近流行りのAIが仕事を奪う話では、AIに代替される仕事とされない仕事、という区分がなされるが、僕はAIに代替されないスキルを培うレベル(例えば、なんかよくわからないけどすごくクリエイティブで唯一無二のスキル)まで到達できないと自分自身予想しているので、なるべく陳腐化が遅くなるようなスキルを身に付けよう、という発想で生きている。この点、前職で何が不満だったかといえば、前職で身に付けられる専門性は事業承継とM&Aの2つで、僕は両方とも陳腐化が早いと考えた。以下、詳細を書く。

 

まず事業承継の実務に必要な能力とは、大別して営業力と専門知識の2つに分けることができる。専門知識とは、会社法法人税法の2つである。事業承継という仕事を表層的に説明すると、会社法法人税法の知識を組み合わせて、最も支払う税金の額が低くなるような株式移転の方法を見出すことである。ただし、税金の計算と(たぶん)株式周りの実務は税理士の専業であるため、金融機関はあくまでスキーム図を描いて、税理士法人に紹介(丸投げ)して紹介手数料を頂くことで儲ける。だから、例えば金融機関Aと金融機関Bが顧客企業に対して事業承継のアドバイスをする際に、まったく同じスキームを描いてまったく同じ税理士法人を紹介するということも生じる。こうなると金融機関同士で差別化できるのは事業承継発生時の納税資金の調達に際して、貸出金利を下げるくらいなので、早晩金融機関の提供する価値は下がる。さらに、税理士法人がAI(というかExcel)で、前提条件を入力すれば最適な事業承継スキームを決定するシステムを作りさえすれば、金融機関を挟む意味もなくなる。このように考えた。M&Aの場合、非上場株式の評価が問題となる。教科書をかじった程度なのでアレなのだが、要するに財務諸表のどの項目をいくらで見積もって算出するかという話だろうと僕は思った。日本M&Aセンターに至ってはレーマン方式ではなく別の手法を用いていて、ざっくり資産の額に一定の利率を掛けるらしい(※部署のおじさんに聞いた知識なので要出典)ので、数字なんかあってないようなものなのだ。事業承継は相続の場合も売却の場合も、専門知識よりも営業力、すなわち経営者の心に寄り添って最も納得のいく提案をし、顧客の腹を決める力が重要らしい。なるほど、確かにそれはAIにはできないかもしれないが、僕は営業力を自分の武器にしたくない。かといってその筋の専門知識の奥行きの深さも、僕にはあまり魅力に感じられない。そして、どうも陳腐化が早そうである。このように考えたのだった。

 

まあかといって現職の仕事のスキルなら陳腐化が遅いかと言われると、プログラミング言語を使う以上いっそう陳腐化が早い可能性も否定できない。その一方で、やりたい仕事なので労働意欲の分だけ習熟が早まる可能性と、用いるプログラミング言語が変化するにしてもビジネス課題を解析(僕がやってるのはまだ抽出ですがね)で解決する実務経験は前職の仕事よりは陳腐化が遅いかなと。前者が5年だとしたら後者が10年だろうか(ざっくり)。この時間稼ぎで生まれた時間差を、次のスキルを身に付けるための投資期間に充てる。そうして次のスキルで時間稼ぎをしているうちに次の次のスキルへの投資をする。このように、陳腐化を引き延ばしては新たな投資対象を見つけて投資しキャッシュフローを生み出すサイクルがビジネスなのかなと思っており、労働者としての能力についても、同様の捉え方をしているのである。ZUUの冨田氏は著書『鬼速PDCA』の中で、今の時代はどんなプロダクトやサービスも即座に模倣され差別化できなくなり陳腐化するので、PDCAを回す速さ自体を強みにして競争するのだ、的なことを書いており、ちょっとそこまでいくと僕とは違う次元で闘っているなあと感じてしまうのだが、とはいえ原理原則は当てはまるわけで、凡夫ながら陳腐化を遅めて生きていこうと思う次第なのである。